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2009年06月20日

中町信氏、74歳で他界

 「パン屋のないベイカーストリートにて」を見て気付いた。
 2日前の出来事なのに、全然気付いてなかった……。
 ググってみたら、どうも全国紙で掲載があったのは毎日新聞だけみたいである。

 中町信さん74歳(なかまち・しん<本名=あきら>推理作家)17日、肺炎のため死去。葬儀は19日午前11時半、さいたま市岩槻区鹿室625の城址岩槻霊園浄光殿。喪主は長男宏紀(ひろき)さん。

 「急行しろやま」で双葉推理賞。他に「新人賞殺人事件」「三幕の殺意」など。

 (毎日新聞2009年6月17日記事

 氏の作品に対する「いい読者」ではなかったのだが、ミステリを読み始めて間もない頃に出会った『奥只見温泉郷殺人事件』は強烈だったという印象が強く残っている。とまれ、ご冥福をお祈り致します。

banner_01.gif← 泡坂妻夫・栗本薫に続き、また「新本格」前夜を支えて本格ミステリ作家が一人…… 
posted by omsoc at 03:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月14日

ここ最近の国産ミステリ寄りドラマ

 録画して放置したままだった国産ドラマを大分片付けたので、幾つか感想。

 『ヴォイス』(2009年1月〜3月):ミステリとしてはどうよ、と思わされる数々のエピソードの中に、突然もの凄いクオリティの作品が混じっていて、もうメロメロ。いや、全く何の期待もせずに見ていたので、石橋蓮司が突然死した妻の司法解剖を頑なに拒む回には、心底驚かされてしまった。さすがは、「本当にたまにみんながびっくりするようなホームラン」をぶちかます脚本家・金子茂樹。「ドラマ脚本界のブライアント」(←例え、古すぎ?)という称号をキミに贈ります。

 『帰ってこさせられた33分探偵』(2009年3月、4月):相変わらずのユルユル感を堪能。ただ「何やかんやは……何やかんやです!」の決めゼリフ(?)は聞き飽きたので、別バリエーションを期待したいところ。

 『BOSS』(2009年4月〜放映中):『ヴォイス』同様、ミステリドラマとしてはどうよ、なんだけど、整合性とか現実性とかを無視した確信犯的な演出のセンスがずば抜けて素晴らしい。志田未来がゲストの回は、ゲスト本人の演技に大絶賛(取調室での天海祐希とのやり取りが白眉)、なのは勿論なのだが、それを蹴散らす戸田恵里香の怪演ーー正確には、彼女をにょーんとロッカーから出現させた絶妙な演出。「ここはお化け屋敷か!」とツッコミを入れながら数分笑いが止まらなかったぞよーーに仰天。チャラチャラなキャリア役の竹野内豊(「部下の人生を操るのは上司の醍醐味だ」とか、数々のセリフには爆笑)を始め、他のレギュラー陣もいい味出してて、毎週楽しませて頂いておりやす。

 『名探偵の掟』(2009年4月〜放映中):『33分探偵』のセンを狙いに行って、見事轟沈(と1回見て思い、それ以後、見てません)。原作者は浮かばれまい。取り敢えず、香椎由宇は、水川あさみや麻生久美子@『帰ってきた時効警察』の開き直りと度胸のよさをちったあ見習うべき。

 『MR. BRAIN』(2009年5月〜放映中):ペカペカの秘密基地科警研を見た時点で「超駄作か超傑作」と予測したら、思いっきり前者だった。制作側は「金とキムタクだけ突っ込んで、知恵はつぎ込まない」というスタンスみたいなので、ま、当然と言えば当然の展開か。脱力系な脚本家を登用したにも関わらず、ムリしてマトモなミステリを目指すような支離滅裂な指向性も修正しないとね。

 『相棒(第7シリーズ)』(2008年10月〜2009年3月):「最後3回分がまだ未見」なのだが、今シーズンはどうやら「傑作」な回はなかったようである(最初のエピソードで津川雅彦を葬り去ったのにはちょっと驚いたけど)。「寺脇康文さようなら」には、ビックリな動機を期待していたのに、あまりにも平凡だったしなあ。『相棒』がここまで成長した理由の一つは、「寺脇康文の貢献」だと思うが、その貢献者を外したバクチが吉と出るか凶と出るか。次シリーズの開始を刮目して待ちたい。

banner_01.gif← そういえば、内容が全く思い出せないけど、『キイナ』なんてものもあったっけか 
posted by omsoc at 02:06| Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月13日

「完全恋愛」牧薩次

完全恋愛
完全恋愛牧 薩次

マガジンハウス 2008-01-31
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starやや古くさい?
starおまけの星四つ
star不完全恋愛?先が読める展開にがっかり・・・

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 祝・本格ミステリ大賞受賞! (と「インターネットで選ぶ本格ミステリ大賞」のダブル受賞!)
 てな感じで、素直に寿げるとよかったんだが……。

 都合3つの殺人事件に、全体を貫く1つの仕掛け。後者の「仕掛け」はさておき、「3つの殺人」の方はどれも微妙な出来で悩ましい。中でも三番目の事件については、今どき「ノックスの十戒」なんて持ち出すのは時代錯誤かもしれないが、それでも本格ミステリとして全く受け入れ難い(「伏線が張ってあるからいいのでは」と考える方は、この作品の堂々たる「宣言」と比べてみて欲しい)。
 全体を通しての「仕掛け」が、この作者ならではなので(とはいえ、この作者をよく知る読者であれば、ある程度の見当が付いてしまうとも思うが)、凡作駄作とは言わないが、佳作と評するのも躊躇われる。

 今回の本格ミステリ大賞候補作は、例年に比べて全体的にレベルが低めだったように思うので(候補作全て読み終えてないけど、少なくとも読み終えた範囲ではそうだと感じる)、「ラストチャンス」と思われる作者に票が集まってしまったのだろう(オフィシャル版には選評がまだ出ていないので想像の域を出ないが、「インターネット」にはそういう理由で票を投じられた方が少なくとも1名はいる模様)。土屋隆夫や、ついに『白樺荘事件』を完成出来なかった鮎川哲也を思い起こすと、この歳でこれだけの本格ミステリを構築出来た事実には頭が下がるが、だからといって、功労賞めいた意味合いを本格ミステリ大賞が帯びてしまったことには不満を覚える。これは、「受賞作なし」ということは事実上あり得ないーーという投票形式による賞決定システムの弊害かもしれない。
 
 何らかの賞を得た作品というのは、後世の人が手に取る機会が増えるので、30年くらい未来の人が本作を読んで「牧薩次センセーのミステリはこの程度か」と思われるのも困る。推協賞受賞作『アリスの国の殺人』も佳作ではあるけど、この作者のベスト作品『改訂・受験殺人事件』(omsoc個人としては、国産ミステリ・オールタイムベスト級)には程遠い出来なので、真の傑作が受賞作の陰に隠れてしまわないことを切に願う。

banner_01.gif← これを機会に東京創元社がソノラマ文庫から出ていた残り3冊を復刊してくれるなら、今回の受賞は吉
posted by omsoc at 15:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 本(小説) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月10日

「裁判員法廷」芦辺拓

裁判員法廷
裁判員法廷芦辺 拓

文藝春秋 2008-02
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star読者も裁判員の一人で小説に参加する。
star本邦初の〈裁判員ミステリ〉

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 世評は高いようだが、ゴメンナサイ、あたしゃ、ノレませんでした。
 1本目と2本目のトリックの方向性が微妙に重複していた時点で、なんかどうでもよくなって、鼻クソほじってケツかきながら読んでたらーーはウソだが、とにかく惰性で読んでいたもので、3本目の仕掛けは「ああ、そうでっか」みたいな感想になってしもうた。巻末あとがきも、ある種の言い訳を聞かされているような感が強くてちょっと閉口。

 以上、殆ど言いがかりに近い感想。改めてゴメンナサイ。
 デビュー作『殺人喜劇の13人』を除いて、どうも芦辺作品とは相性が悪く、ポジティブな評価を下せたことが全くといっていいくらいにない。作者が思うミステリのツボと私のそれとが全く違うせいだろう、と想像しているのだが、具体的にどこがどう違うのかさっぱり分からない。でも、それが分かるまで深くお付き合いする気もないので、多分、謎のままなんだろうな。

banner_01.gif← 高村薫とも相性最悪である(本格ミステリではないけど)
posted by omsoc at 00:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 本(小説) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月08日

「造花の蜜」連城三紀彦

造花の蜜
造花の蜜連城 三紀彦

角川春樹事務所 2008-11
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star気持ちがついて行かず
starドラマ化してほしい!
star二重、三重の謎。

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 どっちかというと、放置プレイはするよりされる方が好きなomsoc(ハイ、M寄りです)ですが、ここを1ヶ月以上放置してしまった。だからといって、どうということもないだろうけどね(苦笑)。
 年初から諸々のスケジュールが厳しい状態が続いており、相変わらず本が読めない状態。政宗九さんの「インターネットで選ぶ本格ミステリ大賞2009」に参加するのは半ばを通り越してほぼあきらめ気味。ここ数年、毎年参加していたのに。ああ、哀しい。

 さて本題。
 
 誘拐小説にトンデモな趣向を打ち出した同じ作者の『人間動物園』。その「趣向」をさらに突き詰めたと好意的に解釈するか、「二番煎じじゃん」と批判するかは人それぞれ。ただ、批判されるのは百も承知の助で、作者は本作を書いたとみた。なぜなら、最終章で、その批判の声をグウの音も出ないまでに黙らせてしまう自信があったに違いないからだ。
 でも、その最終章のネタが、割と最近放映された某ドラマと思いっきり被ってしまったのは作者の計算外だろう。いや、こちらの方が先行作品だし、そこに至るまでの伏線の凄まじさも遙かに上なのだけれども。
 とまれ、ラスト1行まで、作者独特の美学に貫かれた堂々たる連城作品。「本格ミステリ」であるかどうかは、読者が論理的に推理する余地があまりないという意味で微妙だが、少なくとも旧来の連城ファンは読んで損はないと思う。

banner_01.gif← 全く同じネタで伊坂幸太郎が書いたらどうなったかなあ

posted by omsoc at 23:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 本(小説) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月22日

爆笑オンエアバトル・第11回チャンピオン大会(3月19日放送)

 何やかんやで(by「33分探偵」)本とも映画とも縁遠くなってますが、これだけは見よう、みたいな。でも3日遅れですが、みたいな。
 
 オンバトチャンピオン大会は、「お約束が勝利の決め手」とは分かっていたが(顕著な例は2年前。「お約束」を封印したタカトシが「お約束」全開なNON STYLEに破れた年)、それを再確認するためにあったような今年の結果だった。
 連覇を果たしたトータルテンボス。お決まりの「忍びねえな」「かまわんよ」のやり取りだけで、あそこまで拍手とウケが取れるっつーのは何かオカシイだろ、と思うけど、ここまで積み上げてきた彼らの努力の証ということか。でも、ネタそのものは、トータル点ボスとしては普通程度の出来。
 2位のタイムマシーン3号は本当に惜しかった。「架空の彼女と別れて」という意味不明なボケが絶妙のツカミで、そこから切れ目なく繰り出される時事ネタとデブネタ。私は文句なしで彼らがチャンピオンだと思ったし、実際、会場からの笑いも拍手も最も多かった筈。それにも関わらず、この結果。勝者の名が「トータルテンボス!」と告げられた瞬間、関太(ボケ・太め)が天を仰いだのも(でもその後、悔しさを噛み殺すように涼しげに笑っていたのがまた泣かせる)、山本浩司(ツッコミ・やせ)が「これで太刀打ちできないと……今のところ無理ですね」と言っていたのも、「そりゃ、そうだよな」という感じ。デブネタはお約束ではあるけど、トータルテンボスみたいに全体を通しての決まったパターンとは成り得てない、という位しか敗因が思いつかん。
 3位の超新塾、は何でここまでウケて何でここまで高評価なのか、常に理解できないんだが、こやつらこそ、「お決まりのパターン」に全面的に依拠することでここまでのし上がってきた典型例という気がする。
 
 流れ星が通常放送で「20」まで連勝を積み重ねながら、チャンピオン大会でどうも冴えないのも「定番のお約束」の要素が弱いせいだと思う。2年前の「ぞうり取り」ネタには負けるが、今年のネタもかなり秀逸でタイムマシーン3号に次いで2位でも全然おかしくない出来ーーと個人的には思うけど、7位だもんな。とはいえ2年前も下位に沈んだので、チャンピオンを目指すなら根本的に芸風を変えないとどうしようもないということか。ちゅうえいの暴走ぶりを見ていると、私はグルーチョ・マルクスを思い出すのだが、ああいうアナーキーさはチャンピオン大会向きではないのだろう。

 2009年度からは月1放送になってシステムが大きく変更されるそうなので、それが次のチャンピオン大会にどう左右するかが気になるといえば気になる。

banner_01.gif← クイーンと言えばロジック、カーと言えば不可能犯罪、というのもお約束の強みか

posted by omsoc at 14:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月05日

「天涯の砦」小川一水

天涯の砦 (ハヤカワ文庫JA)
天涯の砦 (ハヤカワ文庫JA)小川 一水

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star国産宇宙パニックサバイバル小説

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 静止軌道上に浮かぶ宇宙ステーションが崩壊・分裂し、その一部がたまたま結合していた宇宙船と共に漂流を開始。内部に取り残された者たちの、生還のための自助努力が始まる!
 というのが一応の筋立てなんだけど、これを読んで普通に想像するであろう内容と、実際の中身とは大分違うんだな。
 生存者の皆さんはとにかくバラバラ。ステーションや宇宙船の各所に散らばり物理的に隔絶され、さらに心理的にも分断されたような状況が延々と続く。「心理的隔絶」の方が、特に深刻で、そりゃ、「誰がリーダーシップを取るか」とか「生還のための最善策を巡って意見がぶつかる」とかいったレベルの、パニック小説では「お約束」とも言える程度の内部対立ならともかく「生還そのものを阻もうとする者がいる」となると、もう何が何だか。サバイバル小説だと思って読んでいたら、実は謀略小説だったーーって、ある意味びっくり仰天だけど、その「びっくり」が嬉しいかどうかは悩ましいところ。
 ついでに登場人物の皆さんが、揃いも揃って一癖も二癖もある人たちばかりで、様々な裏事情まで抱えているので、どいつにも感情移入が出来ない。こうなると誰が生き延びようが誰が死のうが気にならないわな。ここまでひたすら読者が熱くなる要素を排除したパニック小説は滅多にないだろう。世評は高いようだが(例えば、早川の『SFが読みたい!』ベストでは2006年度第3位)、個人的には珍作に部類したい一作なのである。

banner_01.gif← 生き延びて欲しかったのは犬だけ(苦笑)
posted by omsoc at 03:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 本(小説) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月28日

「ガラスの仮面」(第43巻)美内すずえ

ガラスの仮面 43 (43) (花とゆめCOMICS)
ガラスの仮面 43 (43) (花とゆめCOMICS)美内 すずえ

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 前巻が6年振り、本巻が5年振り。この御無沙汰ぶりに驚愕。
 『死霊』みたいな文芸作品ならともかくーーって一行たりとて読んでないので全く想像だけどーーこういうエンターテイメント系大河作品ってえのは、例え細々とであっても書き続けてないと二進も三進も行かなくなるのが普通。5年も6年も間隔が空くと作者本人の気力が萎えて中絶しても全く不思議ではない。
 
 全盛期のページターナーぶりには、そりゃ遙かに及ばないが、それでも十分に読ませるのは流石。完結してしまうと老後の楽しみが1つ減るような気がするので、美内すずえ先生がこちらより長生きして延々と書き続けて下さることを希望。

banner_01.gif← 現在のペースだと、100巻到達は24世紀初頭
posted by omsoc at 02:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 本(コミック) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月12日

「2005年のロケットボーイズ 」五十嵐貴久

2005年のロケットボーイズ (双葉文庫)
2005年のロケットボーイズ (双葉文庫)五十嵐 貴久

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 高校生たちで人工衛星着作ってコンテストに参加! って早い話がロボコンですな。
 「徒手空拳な一団が過酷な難題に挑む」内容の小説では、「徒手空拳」と「難題」とのギャップをどう埋めていくのかが肝。本作の場合、そもそも「徒手空拳」ではないし(便利な同級生たちでもどうかと思う上に、ツンデレ系な幼馴染みまでいるんだもんなあ)、後々必要となりそうな人材・資材も露骨なまでにバラ撒き状態。なので、「難題」をクリヤしたても「おお、やったぞ!」というカタルシスに欠ける。
 リーダビリティの高さ、ユーモア溢れる文体。これで、こちらの心に訴えかけてくれる「何か」がありさえすればねえ、と思わせてくれる、いつもの五十嵐作品なのでありましたあ。

banner_01.gif← コンスタントに胃にもたれない優れたB級小説を読ませてくれる、という意味では貴重な存在ですが
posted by omsoc at 23:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 本(小説) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月11日

「マーブル・アーチの風」コニー・ウィリス

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 『白亜紀後期にて』
 繁栄を極めてその後滅んで行った恐竜は、今の大学の教授たちと一緒。
 という例え話なようだが、高尚過ぎてよく分からなかった。

 『ニュースレター』
 宇宙人が静かに地球人侵略の手を広げている! という深刻な筈のネタを明るく描く。
 「明るい侵略SF」ということで、真っ先に連想したのは新井素子の『週に一度のお食事を』(『グリーン・レクイエム (講談社文庫)』所収)。色々な意味で対照的なので、本作と読み比べてみるのも一興かと。
 
 『ひいらぎ飾ろう@クリスマス』
 SFマガジン掲載時に読了済。いかにもこの作者らしい一編。

 『マーブル・アーチの風』
 20年振りにロンドンを訪れた老夫妻。夫が地下鉄内で感じる「風」の正体とは何なのか。
 「風」の正体はある種のメタファーで、趣向としては文学好きな方向け。多分。
 言い換えると、私には理解し切れなかったということですすいません。例えば、最後から7行目は176頁の伏線と合わせてどう解釈すれば?

 『インサイダー疑惑』
 サイキックどものインチキを暴く"デバンキング"を生業とするロブ。相棒のキルディが見つけてきたチャネラーにはとんでもない秘密があった。
 出だしで設定がイマイチ理解出来なくて躓きかけた。が、最初の降霊会のシーンで「秘密」の内容が示され、話の軸が分かった途端、物語が走り出す。道行きの楽しさは勿論だが、ある「二律背反」を処理するためのドタバタ騒ぎを描いたクライマックスが圧巻。読後感の余韻も素晴らしい。これぞコニー・ウィリス。ブラボー! 
 実は展開の一部が、収録されている別の一編と微妙に重複気味で、先読み出来てしまうのが残念。単独で読んでみたかった。
 
 以上、5編収録。ベストは当然『インサイダー疑惑』。

banner_01.gif← 「視聴率さえ取れれば何でもアリ」ということで、インチキ占い師を平気で多用する日本のテレビ制作責任者に読ませてやりたい

posted by omsoc at 03:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 本(小説) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする